阪神・原口、値千金の先制弾に「必死のパッチで打ちました」

(セ・リーグ、阪神2-1中日、8回戦、阪神5勝3敗、17日、甲子園)大きな弧を描いた白球が、左翼席に突き刺さった。球場中に大歓声が響き渡る。原口は表情を緩めることなく、ゆっくりとダイヤモンドを一周した。スコアボードに初めて灯った「H」ランプは、値千金の先制3号ソロ。そのバットで、難敵バルデスを打ち砕いた。

「必死のパッチで打ちました!! しっかり自分のスイングをするなかで打てたのでよかったです」



お立ち台で声を張り上げた。五回だ。二死走者なし。3ボール1ストライクから高め135キロの真っすぐをフルスイングし、左翼スタンドまで運んだ。そこまで猛虎打線は竜の助っ人左腕の前に無安打。テンポよく投げ込まれるボールをとらえられず、次々と打ち取られていた。だが、背番号「94」の修正能力が上回った。

三回の第1打席ではいい当たりながらも遊直。「バットの軌道が左翼の方にヘッドが返ってしまっていた」とベンチ裏で素振りを繰り返し、修正。引っ張り気味だったスイングを矯正すると「センター方向というイメージで」とコンパクトに振り抜いた結果が、勝利を呼び寄せる一発につながった。

この日までで最近5試合で12打数3安打、打率・250。本塁打は4月12日のDeNA戦(横浜)を最後に遠ざかっていた。その間、一塁のライバル、中谷が4戦3発と大暴れ。焦りもあっただろう。「しっかり与えられたところで結果を出さないと出る機会が減る」。危機感を胸に試合前、行動に出た。



全体練習が始まる30分前。アンダーシャツ姿でグラウンドに見せると、平野打撃コーチが上げるトスを黙々と打ち返した。まるでキャンプ中のようなロングティー。動画を撮影しながらスイングをチェック。「バットの軌道が良ければいい打球が出る。その確認です」と本来の打撃を取り戻そうと、必死に汗を流した。修正能力。これが、原口の強みだ。

「チャンスをもらった時にしっかりアピールできるようにがんばりたいと思います」

1試合だけでは終わらない。まだまだ確実性を高める。ガムシャラに、泥臭く。そう、必死のパッチで-。この言葉のように、原口はバットを振り続けていく。